2020年02月10日

サリドマイドと聞けば、まず奇形を引き起こす恐ろしい副作用を思い浮かべるに違いない



リドマイドと聞けば、まず奇形を引き起こす恐ろしい副作用を思い浮かべるに違いない。事実、この「完全に安全な睡眠薬」は医学史上最大の悲劇を巻き起こした。1950年代から60年代にかけて、約5000人の障害...続きは本文で

【 著者 】 Rock Brynner
【 評価 】 4.2
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【書籍紹介】
サリドマイドと聞けば、まず奇形を引き起こす恐ろしい副作用を思い浮かべるに違いない。事実、この「完全に安全な睡眠薬」は医学史上最大の悲劇を巻き起こした。1950年代から60年代にかけて、約5000人の障害児が幼児期を生き延び、少なくとも倍の子どもが死亡したと考えられている。まだ妊娠に気づきもしない早期に母親が1、2度服用しただけで、手足が短かったり、自閉症の子どもが生まれてくる。まさに「悪魔」の薬である。    ところが、サリドマイドは今も使われている。もちろん、副作用が消えたわけではない。以前と違うのは、正しい知識と厳密な管理のもと、ハンセン病やガン、自己免疫疾患など、難病治療の最後の手段として用いられていることだ。    本書はこの「20世紀で一番奇妙な薬」をめぐる歴史物語である。科学的根拠もないのに、「完全に安全」と販売した製薬会社。徐々に明らかになる悲劇の全貌。そして副作用のメカニズムがわかるにつれ、サリドマイドは難病治療薬として復活する。    アメリカで認可されなかった経緯やイギリスの裁判、副作用の研究、障害者や患者の肉声など、著者は問題を広くかつ深く掘り下げる。薬害エイズや医原性CJD(クロイツフェルト=ヤコブ病)を見れば、この悲劇が過去のものでないことは明らかだ。「サリドマイドの物語が寓話だとするなら、この話には教訓がなければならないだろう。(中略)それは人間行動の原理とでも言うべきものだ。個人であれ集団であれ、他人に共感する心を失ってしまえばしまうほど、人間の悪しき一面がそれに取って代わるという原理である」。学ぶべきことの多い良著である。(齋藤聡海)
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【書籍情報】
単行本:318ページ
出版社:日経BP社
言語:日本語
梱包サイズ:19.2 x 13 x 2.6 cm

【本書のキーワード】
  本間 徳子
  医学よみもの
  薬学
  4822242625
  一般向け
  Rock Brynner
  Trent Stephens
  医学
  ロック ブリンナー
  神と悪魔の薬 サリドマイド
  日経BP社
  医薬品
  トレント ステフェン



【関連図書】


サリドマイド事件全史

火薬が心臓を救う―ニトログリセ…

薬学の歴史(文庫クセジュ)

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posted by BookReviewer at 07:01| ノンフィクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする